【浅草クライミング】登って検証!ハイエンドモデルの「ツルギ」の強みやサイズ感
日本から世界へ!浅草クライミングの挑戦!
ボルダリングW杯、世界選手権、アルコ…。挙げればキリがないほどに日本人選手が国際大会で活躍し、日本のクライミングが世界から注目されているにもかかわらず、日本発のクライミングブランドは少ないもの。やはり現代クライミングの発祥が海外なだけに、海外の巨大ブランドのクライミングシューズが今も大きな勢力を保っているのでしょう。
この状況を打ち砕く先駆けとなるべく、浅草クライミングが2017年の暮れに史上初となる日本発クライミングシューズメーカーとして躍り出たのも記憶に新しいかもしれません。
今回はそんな浅草クライミングの代名詞、あの唐草模様の剱(TSURUGI)を、実際に履いて登り性能を検証します!
目次
浅草クライミングとは?
2017年12月より全国で発売開始となった鏡(KAGAMI)、勾玉(MAGATAMA)、剱(TSURUGI)をはじめとし、日本で独自にクライミングシューズの企画・開発を行うクライミングシューズメーカー。ちなみにこれらのネーミングは「三種の神器」からとっているそうで、これからリリースされるシューズたちも、どうやら日本的な文化を取り入れて名前が付けられていくようです。
「日本から世界へ」をモットーに、東京・浅草の名を冠した浅草クライミング。2016年の創業以来、今や全国の取扱店舗数は88(2019年1月現在)にのぼり、日本のクライマーなら誰もが一度は名前を聞いたことがあろうという存在にまで成長を遂げました。
浅草クライミングは、日本人のクライマーにありがちな「幅広」「甲高」「踵が小さい」などといった悩みを解決すべく、日本人の足型に合ったクライミングシューズを1から開発。従来のクライミングシューズに足りなかった点を補うべく、初心者用モデルは日本人の足への馴染みやすさ重視して開発。上級者用モデルには機能向上のための日本人の足に合った全く新しい木型を採用し、他では見られないオリジナルソールを使用。
名前だけではなく、しっかりと「日本人の足に合う」を追い求めた浅草クライミングですが、実は最近は海外にも絶賛進出中。アメリカ東海岸で試し履き会を行ったと思えば、シンガポールのクライミングジムでは浅草クライミングがレンタルシューズとして採用されていたりするのだとか…!さらには、口コミの影響でアメリカからわざわざ個人的に日本に買いに来るクライマーがいるまで…。
剱(TSURUGI)を入手!
ということでさっそくゲット。
唐草模様の箱で届きました。
シューズの包装の紙までオリジナル。こだわってますね~。
ハイエンドモデルの剱は、シューズの形が元々ダウントゥー気味。アッパーはかなり広い範囲がラバー素材になっているので、トゥーのグリップ力と壊れにくさが期待できそうです。
シューズ選びにおいて多く聞かれる悩みの一つ、「ヒールカップの形が合わない!」への対策として、ヒールカップは日本人の足型に合うよう作られているようです。そもそも欧米人と比べて日本人のかかとは小さく、くるぶしも低いんです。ひとえに足型と言っても、厚さ、横幅、土踏まずなど、特徴となる値は数えきれないほど。シューメーカーとしての経歴があるブランドオーナーだからこそ割り出すことのできる、日本人の足に合う形を実現したのが浅草クライミングなのです。
そして、これが噂のオリジナルソール、「摩擦ソール」ですね。
大きめのヒールカップ、ダウントゥー、アッパーのラバーソールと、外見的な特徴がいくつか分かったところで、早速履いてみたいと思います!
登って検証!(外岩)
愛知県豊田市、巴川の岩場で使用感を検証です。
つま先
剱で使用されている「摩擦ソール」は4mm。垂壁~120度くらいの壁では、ステルスC4の4mmとさほど変わらない堅さに感じられます。ファイブテンのシューズを愛好してきたクライマーなら違和感なく履けるかもしれません。程よく堅く、靴全体の柔らかさもあってか、つま先での掻きこみで足裏感覚をつかみやすいです。履き始めとは思えない馴染み方でした。
ただ、大ヒットモデルのミウラやアナサジなどと比べると圧倒的に靴全体が柔らかいので、スラブ面で少しシューズが反ってしまう時があります。段以上のシビアなスラブの立ちこみでは少し不安感があります。
特に花崗岩のクライミングなんかでは、小さなポケットにつま先をねじ込み~…なんて足の置き方がよくありますよね。外岩の細かい形状を扱うクライミングシーンでは、摩擦ソール4mmの少しボテッとした感じを避ける人も少なくないかもしれません。
ヒールフック
ヒールフックの使用感はというと、ちょっと驚き。というのも、ヒールカップのフィット感が群を抜いてます。さすが日本人の足に向けて開発されたモデルなだけあり、日本人の私の足には超フィットしました。残念なのが履かなければわからないところ。
ヒールフッカーたちがよく口にする、ヒールカップの外側のフリクション問題。
コチラに関しても特に悪い点はみられず。滑るようなことはありませんでした。踵を外に開くような力の入れ方をしても、問題なくフリクションを発揮します。これもヒールカップがフィットしているおかげでしょうか?
全体的に柔らかめの作りですが、シューズの中で足がズレる・動くといった現象は1本締めのベルクロで防ぐことができます。シューズが足の形に全体的にフィットしているため、フックを掛けて足首に力を入れた時に脱げそうになるなんてことはありません。
トゥーフック
トゥーフックはというと、かなり広範囲にラバーを使用しているからか、申し分のないグリップ力を発揮してくれました。つま先から足の甲の出っ張りまでレザー部分がカバーされています。
見た目以上に厚いラバーで加工してあるため、継続的な使用による劣化も少ないことでしょう。よくアッパー部分に穴が開いてしまうクライマーの皆さんには聞捨てならない要素でしょう。
登って検証!(ジム)
外で使えるからと言って、クライミングジムで使えるとは限らないでしょ!なんていう方、多いんじゃないでしょうか。
既にお気づきの方も多いかと思いますが、全体的に柔らかい仕様のため、むしろホールドの形状が明瞭なインドアのスタンスの方がつかみやすいです。特に強い傾斜で大きなムーブを起こす際の、デッドポイントでスタンスから足が切れそうになる瞬間。足に力の入りにくい伸びきった脚でも、思いがけない足の残り方をしたりします。
おそらく
明記はされていませんが、もしかしたらインドアでこそ強みを発揮するモデルなのかもしれません。
事実、最近のコンペでは浅草クライミングを履く若手クライマーがかなり増えてきている模様。浅草クライミングによるサポートを受けるユース世代も続々と登場しています。
個人的には、長く履いていられることこそが強みなんじゃないかと思う次第であります。仲間と話したり、マットの上を歩いたり…。そんな時間も快適に履いていられる。案外重要なポイントな気がします。
サイズ感は?
浅草クライミングのOnline Shopには、他社シューズのサイズに対応したサイズ選びの目安と購入例を公開しています。
実寸サイズまたはスニーカーサイズを目安にしていただき、幅が広めと思われている方は、0.5cm上のサイズを目安にお選びください。
TSURUGI 25.5cmの購入例(通常靴サイズ25.5-26cm)ファイブテン 7.5-8・イボルブ 7.5-8・スポルティバ 39.5-40・スカルパ 39-39.5・ミレー 41.1/3-42・ボリエール 6.5-7.5 ※ソールの実寸は、シューズのサイズから約マイナス1cmの長さとなります。
(クライミングシューズ 柔らかい 一本ベルト – 日本から世界へ提案するクライミングシューズ 「浅草クライミング」)
是非参考にしてみてください!
まとめ
今回ご紹介した浅草クライミングのハイエンドモデル、剱(TSURUGI)の使用感をまとめるとこんな感じでしょう!
・日本人の足にフィットするヒールカップ
・ラバー処理で実現したアッパー保護&トゥーのグリップ力
・インドアで発揮されるつま先のキープ力
・ユルくないのに長時間履いていられる
・外岩のスラブ・結晶スタンスでは負けてしまう
総じて、アウトドアにおけるスラブ以外のシーンでは文句なしの性能。
今後摩擦ソールの硬度アップバージョン、もしくはさらに固いシャンクの入ったモデルが開発されるかもしれません。そうすれば外でもオールラウンドに使える日が来るかも…。
どんな人にオススメ?
もちろんですが、幅広・甲高の方には絶対的にオススメです。足型のあっているクライミングシューズを履くと、シューズから足にかかる余計なテンション、余計なスペースなどが排除されます。履いていて痛みを感じにくい、中で足がズレにくい訳です。
|
浅草クライミングをタダで手に入れる方法!?
クライミングチャンネルでは、どんなグレードのボルダー課題でも外岩の動画を投稿するとポイントが付与され、そのポイントをクライミングアイテムと交換することができます。剱(TSURUGI)も、そしてベルクロのない勾玉(MAGATAMA)も、貯めたポイントと交換することができます!
<剱(TSURUGI)の交換ページはこちら>
<勾玉(MAGATAMA)の交換ページはこちら>
合わせて読みたい!