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ボルダリングのホールドの持ち方や呼び方を紹介!

ボルダリングジムに足を踏み入れると、まず目に入る無数の「ホールド」。色とりどりで様々な形をしているホールド達に心躍り、登攀欲を掻き立てられたといった経験がある方も多いのではないかと思います。筆者自身も初めて行くジムの壁を見ると、もう登録の手続きなどすっ飛ばして壁に取り付きたくなるものです。

しかし、気合十分いざ壁に取り付いてみたものの「あれ、このホールドどうやって持ったらいいんだろう…」「壁に張り付いたまま動けない…」なんて経験がおありの方も多いのではないでしょうか。先に言ってしまうと、ボルダリングのホールドの持ち方に、「こうやって持たなければならない」という正解はありません。しかし、基本的なホールドの持ち方、握り方を習得することによって、ボルダリングの技術は確実に上がります。これは筆者自身も身を以て体感しています。というわけで今回は、「ボルダリングのホールドの持ち方・呼び方」をご紹介したいと思います!

ガバ(ジャグ)


ハードコアテクノではありません。ホールドの名前です。
初めてボルダリングを体験した時、大抵のジムではスタッフが指示した10級や9級などの易しめの課題を登った経験があると思うのですが、そういう課題についているホールドは大体がこの「ガバ」です。

写真のように大きくてガバっと持ちやすいという理由からこの名がついたそうです。持ってみるとわかるのですが、持ったまま足を離してぶら下がれるくらいのものがほとんどで、10級~6級くらいまでの易しめの課題によく使われています。ただ、持ちやすいが故にずっと持っていると通称「ガバダコ」と呼ばれるタコが指の付け根あたりにできます。(笑)指の皮がはがれた時の痛みは尋常じゃないのでそういう時はテーピングなどで保護してあげましょう。

カチ(クリンプ)


初心者の方々にとっての最初の難関となりうる「カチ」は、小さくて、一見したらどうやって持てばいいのかわからない方も多いかもしれません。外岩の課題はほとんどがこのホールドで構成されているといっても過言ではないでしょう。筆者自身、最初は持てなさすぎて何かの罰ゲームでも受けているかのような感覚に襲われましたが、ジムのスタッフに写真のような持ち方、通称「カチ持ち」を教わったことで持てるようになりました。親指以外の4本の指を密着させ、親指を人差し指の上に添えてあげることにより、小さなホールドでも力が入り、持てるようになります。たまにクリンプという名前で呼んでいる人も見かけます。

また、上の写真のように指を伸ばして第一関節を引っかけて持つ「タンデュ(オープンハンド)」という持ち方もあります。筆者はロープクライミングをする時、カチ持ちばかりでは力が入りすぎてすぐに腕がパンプアップしてしまうので、極力写真のように持つようにしていました。

スローパー


初心者の方のカチの次の難関ともいえる「スローパー」。4級前後の課題からちらほら見かけるようになるイメージです。のっぺりした形状からして一見どこを持てばいいのかわからなくなると思いますが、スローパーを持つうえでのコツは「重心」です。人間の重心、つまりお尻がホールドの真下に来るように持ちます。また持ち方にもコツがあり、スローパーはカチのように握りこむのではなくホールドの形状に合わせて手のひらを密着させて持つ「パーミング」という持ち方をします。以上のことを踏まえて、次ジムを訪れた時にはこの持ち方を実践してみてください。

ポケット


指が一本または二本程度しか入らないホールド「ポケット」です。「ポッケ」なんて呼び方が一般的には定着していると思います。通常、指が一本しか入らない場合は中指、二本入る場合は中指と薬指や中指と人差し指なんかを一緒に使って持つことが多いです。というか、ポケットの場合は持つというより引っかけるという言葉のほうがしっくりくるかもしれません。

ポケットの穴の深さは浅いものから深いものまで様々で、その形や深さに応じた持ち方を探っていくことが大切です。また、ポケットは本当に指の故障の原因になり易いです。筆者自身、一本指しか入らない深めのポケットで中指の腱を伸ばしてしまったことがあります(蛇足ですが、指の腱を伸ばした時にパキッという特徴のある音が鳴ることから、指の腱を伸ばしてしまうことを、「指をパキる」と呼ぶことがあります。知っていて損はありませんが絶対にそうならないが吉です)。気を付けましょう。

ピンチ


親指とその他4本の指で挟みこむようにして持つホールドを「ピンチ」と言います。昔はこの手のホールドにとても苦労させられました。このホールドを持つポイントはズバリ親指です。手首を支点、親指を力点、その他4本の指を作用点にして、てこの原理を利用して親指を押し出すようにして持つと安定感抜群です。このテクニックはピンチに限らずボルダリングの様々なシーンで応用できるので、ぜひ活用してみてください。筆者の完全なる私見ですが、強いクライマーはこのピンチ力が強い人が多いです。

アンダー


持ち手が逆についているホールドを「アンダー」と呼びます。ガバのアンダーだったりカチのアンダーだったりと形状は様々ですが、アンダーホールドを持つときのコツは体をできるだけ上に引っ張り上げ、ホールドの向きに逆らわないようにして持つことです。普段よりも高めに足を置くことで、体全体が高くあがるため、手を上に引き上げやすくなります。無理にホールドの下側から持とうとしてもうまくいかないことが多いと思います。

ラップ

マイク握ってライム刻んで…ではなく、写真のように手で包み込むようにして持つホールドを「ラップ」と呼びます。筆者の経験からするとうまく手を添わせると安定感抜群なのですが、大きめのラップホールドの場合、手首まで添わせてあげるとさらに安定感が増します。

サイドプル

アンダーは持ち手が逆さのホールドでしたが持ち手が横向きについているホールド・持ち方を「サイドプル」と呼びます。これもアンダーと同じように形状は様々ですが、持ち手とは逆向きの方向にうまく体重をかけると余計な力を使わずに保持できるようになります。

ハリボテ(ボリューム)

最後にご紹介するのは近年のボルダリングワールドカップやその他コンペでもよく目にする「ハリボテ」です。特徴的な形や大きな見た目はジムの壁についているホールドの中でも一際目立つ存在だと思います。フットホールドとしてもよく見かけることがあると思います。ハリボテには様々な形状のものが存在するため、一概にこの持ち方がよいと言い切れるものがないのですが、形状に合わせてラップ持ちしたりパーミングで持ってみたりと、ジムにあるハリボテで色々と試してみると良いでしょう。また前述したとおり、最近のコンペでは頻繁にハリボテを使ったルートが登場するので特にコンペに出ようと考えている方は対策必須です(ちなみに筆者はハリボテの処理がとても苦手でした笑)。

最後に

今回は基本的なホールドの呼び方、持ち方をご紹介しました。しかし、あくまで「基本的な」呼び方、持ち方であって、ボルダリングジムに足を運んだことのある方ならわかると思いますがホールドは様々なメーカーから多種多様な形のものが売り出されており、大事なのはそのホールドにあった持ち方をすることだということを忘れないでください。

さて、ここまできたらあとはもう練習あるのみです!筆者の経験上、ボルダリングがうまくなるポイントは、知識よりも練習量だと思います。中級者以上になればまた話は別ですが、まだボルダリングを始めたばかりの方は、どれだけジムに通って、どれだけ壁に取り付いたかに上達がかかっています。ジムのスタッフや常連さんと友達になればさらにボルダリングが楽しくなると思います!皆様の充実したボルダリングライフを今後もクライミングチャンネルは応援しています。

(撮影協力:クライミングジム マル

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