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国内主要コンペの年間スケジュール

(写真提供:尾上彩)

クライミングを始めて少し経つと、クライミングには一人で登る以外にも様々な楽しみ方があることに気づく方が多いと思います。同じジムに通うクライマー達と仲良くなってセッションをしたり、仲間と一緒に外岩でのクライミングを楽しんだりと色々とありますが、その中でもコンペに出てみたい!と思われた方も少なからずいらっしゃると思います。

クライミングコンペには、クライミングジム主催で開催されるいわゆる「草コンペ」から、日本クライミング協会(JFA)や日本山岳・スポーツクライミング協会(JMSCA)が主催するその年の日本代表を決めるような大きなコンペまで様々です。

(写真提供:尾上彩)

コンペは観戦に行くだけでもモチベーションを貰えたり、日本のトップクライマーの登りを生で見ることができたりという貴重な経験になるのはもちろん、自分ももっと強くなっていつかあの舞台に!という目標にされるのも良いでしょう。今回は、毎年注目の集まるその大きな大会についてご紹介します!

【1月下旬】ボルダリングジャパンカップ

1年の国内の大きなコンペスケジュールは、大体この「ジャパンカップ」から始まります。昨今の爆発的なボルダリングブームの中で、名前だけは聞いたことがある!という方も多いのではないでしょうか?この大会はJMSCA主催で毎年一月下旬頃に開催され、その名の通りボルダリングの日本一を決定する大会です。またその年のボルダリングW杯への出場権を獲得するための非常に重要な大会でもあります。「BJC」という略称で表記されることも多いですね。

 

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前年までに特定の大会で好成績を残した選手は優先的にBJC本戦に出場できますが、一般の選手は前年の12月に開催される一般参加選手選考会、通称「予備予選」において良い成績を残すことで本戦の出場資格を得ることができます。一般の選手といっても、予備予選もかなりの強者揃いなので、本戦に出場するだけでもかなりの実力が求められます。将来的にBJCに出場してみたい!と思う方は、まずはこの予備予選突破を目標にトレーニングしてみてはいかがでしょうか?

 

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開催場所は2018年までは毎年変更されていましたが、2018年からは駒沢オリンピック公園で開催されています。優勝者は女子は第一回大会開催以降、第9回大会まで野口啓代選手が9連覇していましたが、第10回大会で田嶋あいか選手が優勝してからは野口選手、伊藤ふたば選手、野中生萌選手などの女子強豪選手達による激しい優勝争いが繰り広げられています。

男子は第10回大会までは連覇どころか二回以上優勝した選手がいないという混戦状態が続いておりましたが、藤井快選手が初優勝を飾った第11回大会から第13回大会まで藤井選手が三連覇を成し遂げました。第14回大会である2019年は、男子は石松大晟選手、女子は野中生萌選手が優勝し、今まで以上に若い選手の活躍が注目される大会となりました。

【2月?】スピードジャパンカップ

2020年東京五輪の追加種目となったスポーツクライミングですが、五輪ではボルダリング、リードクライミング、スピードクライミングの3種目で競われます。そのスピード競技の第1回ジャパンカップが今年の2月に開催されました。スピード競技はヨーロッパで盛んなイメージでしたが、日本で本格的に注目され始めたのは五輪種目に決まったここ数年といったところでしょうか。日本のクライミング界も五輪に向けて本腰を入れ始めたと考えることもできます。

 

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2019年2月に行われた第1回大会はモリパークアウトドアヴィレッジという東京都昭島市にあるスピードクライミングウォールで開催され、男子は池田雄大選手、女子は野中生萌選手が優勝しました。第2回大会以降の開催は未定です。

【3月】リードジャパンカップ(旧日本選手権)

毎年3月頃に開催される、リードクライミングの日本一を決める大会です。「LJC」という略称で呼ばれることも多く、昨年までは日本選手権という名称で開催されていました(2017年まで毎年その年の国体開催地で開催されていた旧リードジャパンカップとは異なります)。この大会もその年の日本代表選考を兼ねた非常に重要な大会です。過去には安間佐千選手や松島暁人選手が連覇を果たすなど、歴の長いクライマーにとっては印象深い大会かもしれません。日本トップレベルの選手達の登りが生で観られるので、是非足を運んで頂きたい大会の一つです。

 

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2018年は埼玉県加須市にある加須市民体育館で開催され、男子は是永敬一郎選手、女子は森秋彩選手が優勝となりました。

【3月下旬】日本ユース選手権リード競技大会

毎年3月下旬頃に千葉県印西市の松山下公園総合体育館で開催される、ユース世代(その年の12〜19歳)を対象としたリードクライミングの大会です。この大会の上位成績者はワールドユースやアジアユースなど、様々な国際ユース大会への出場資格を得ることのできるユース世代の選手にとっては一番重要な国内大会であるとも言えます。

 

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【5月下旬】ボルダリングユース日本選手権

ユース世代には身体的負荷が大きいとして、ボルダリングのユース大会は長らく実施されていませんでしたが、2015年から開催されるようになりました。会場が毎年鳥取県立倉吉体育文化会館であることから「鳥取ボルダー」という名前で親しまれている大会がこちらです。ユース選手権同様、ユースの日本代表を選考する大会の一つなので、ユース世代の選手にとっては重要な大会であると言えるでしょう。また予選を「コンテスト方式」という珍しい方式で実施しており、第1回大会開催当時は話題になりました。

 

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【5月下旬】コンバインドジャパンカップ

前述のスポーツクライミング五輪種目追加の関係で、日本クライミング界は近年、スピードクライミングに力を入れ始めています。コンバインドジャパンカップの第1回大会は、2018年6月に岩手県で開催されました。コンバインドジャパンカップではリード、スピード、ボルダリングの3種目の総合成績により順位付けされるという、2020年東京五輪を意識した方式となっています。第1回大会は出場枠が男女30名ずつと枠も少なく、主にオリンピック強化選手や日本代表選手を対象とした大会だったようです。第1回大会は男子は楢崎智亜選手、女子は野口啓代選手が優勝しました。第2回となる2019年の大会は愛媛県で5/25〜26の日程で開催される予定である。

 

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【8月】ジュニアオリンピック

毎年8月に富山県南砺市の桜ヶ池クライミングセンターで開催される、ユース世代対象のリードクライミングの大会です。「JOC」という略称で親しまれています。桜ヶ池クライミングセンターは屋外に人工壁が設置されており、とにかく暑いんです。壁も陽に照らされているので上部はホールドも熱かったりします。ただし盛り上がりも尋常ではなく、年に一回のユース世代のお祭りのような雰囲気もあります。都心からは遠いですが、ユース世代の方でなくとも観戦に行って、是非あの雰囲気を肌で感じて頂きたいです。

 

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JOCは年齢別のカテゴリーはありますが、どのカテゴリーも同じルートで競い合います。そのため、年齢別のカテゴリーの順位とは別に、年齢関係なく最高成績を収めた選手が総合優勝となります。男女の各総合優勝者にはクリスタルトロフィーが贈られます。第21回大会となった2018年は、男子が本間大晴選手、女子は平野夏海選手が総合優勝となりました。

【10月】国民体育大会山岳競技

毎年10月頃には「国体」と呼ばれる国民的イベントが開催されることをご存知の方は多いと思います。スポーツクライミングも立派な国体競技の一つで、国体でもリード、ボルダーの2種目が行われています。各地方ブロックで分かれて事前に行われる予選があり、毎年変わる開催地の本大会への出場権を争います。

少年男女、成年男女の計4カテゴリーそれぞれが本大会の天皇杯、皇后杯の得点対象となり、各都道府県を代表するトップクライマーが繰り広げる熱い戦いは毎年盛り上がりを見せています。

 

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【12月】全国高等学校選抜クライミング選手権大会

毎年12月下旬に埼玉県の加須市民体育館で開催される、高校生を対象としたリードクライミングの大会です。「高校生大会」と呼ばれることが多い、高校生世代のスター選手への登竜門的な位置づけとされます。この大会は前述のJOCとは打って変わってとにかく寒いです。毎年クリスマス辺りに開催されるため、アイソレーションルーム(出番前の選手の待合室)ではストーブをガンガンにつけ、選手もダウンを着込んでウォーミングアップをします。観戦に行く方もしっかりと防寒対策されていくことをお勧めします。

 

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高校生大会では学年関係なく出場者全体で争い、順位付けされます。2018年に開催された第9回大会では、男子は西田秀聖選手、女子は菊池咲希選手が優勝となりました。

 

いかがでしたでしょうか?

観戦に行けば日本のトップクライマー達の登りから刺激を受けることができたり、これらの大会の出場を目標にトレーニングをすることはモチベーションアップに効果的なはず!

今回ご紹介した以外にも、世界を舞台に日本代表クライマーが熱戦を繰り広げるワールドカップ、世界選手権など、様々な大会が存在します。国際大会に関しては、またの機会にご紹介させていただきます!

これからも、皆さんのクライミングライフの充実をクライミングチャンネルは応援しています。

 

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