自宅でできる!ボルダリングのための基礎体力トレーニングメニュー
出来るものなら毎日でもジムでガツガツ登り込みたい…。しかし、社会人であれば会社の繁忙期、学生さんであればテスト期間と、どうしても登るペースが落ちてしまう期間は避けられません。
でも、そんな時こそ基礎を固めるチャンスかもしれません!
今回は、忙しい時期にも実力を落とさず、むしろ強くなりたい!という方に向けて、自宅でも手軽に出来るボルダリング向け基礎トレーニングメニューをご紹介していきます。
せっかく始めたボルダリング、ジムで登る以外にもトレーニングで基礎フィジカルを身につけ、ステップアップしていきたい!という方も必見です!
目次
自宅トレーニングメニューの頻度
本題のトレーニング内容に入る前に…。
おそらく多くの方が、「週に何回くらい、どれくらい時間をかけてトレーニングを行えばいいの?」といったように、頻度について気になっているのではないかと思います。
まずはトレーニングの頻度ですが、基本的には毎日やるのが理想かと思います。フィットネスジムに通っていた方や筋トレに励んだ事のある方からすれば、筋疲労や超回復の関係から、本当に毎日やっても大丈夫なの?と感じられるかと思います。
しかし、今回ご紹介するのは基礎フィジカルを作ることに重点を置いたトレーニングであるため、最も重要なのは習慣化して継続的に行うことであると捉え、負荷がそこまで高くない毎日できるトレーニングメニューをご紹介しております。もちろん毎日時間をとるのが厳しいという方も多くいらっしゃると思いますので、あくまで理想、出来る時間が取れたらやっておくといった頻度でも効果的でしょう。
各メニューが習慣化された次のステップとして、自身の弱い部位や苦手なムーブを想定したトレーニングに徐々に切り替えていくのがおすすめです。
所要時間とメニュー
次に、トレーニングにかかる時間とメニューについてですが、今回はそれぞれ20分程度で行えるよう、各トレーニグのメニューの回数、セット例をご用意致しました。筋力は人それぞれですので、各メニューの体感的な難易度も併記してあります。あくまで参考として活用して頂けると幸いです。
家トレの大定番 プランク
メニュー例:前(60s)-左(60s)-右(60s)×3セット
難易度: 3級
所要時間: およそ15分
達成目標: メニュー例が問題なく行える
運動部に所属していたことのある方なら一度はやったであろう、謂わゆる『体幹トレーニング』なのではないでしょうか?こちらのトレーニングでは腹筋から背筋にかけて、腰まわりをまんべんなく強化することが出来ます。
トレーニングの効果が感じられる具体的なシチュエーションとしては、ルーフなどの強傾斜でスタンスホールドに足を残さず飛びだし、体が振られてしまった時。しっかりと体幹を締めることで、振られを軽減することが出来ます。
ポイントとしては、
・トレーニング対象となっている腰まわりを意識すること
・おしりを上げず一枚板になること
そして、
・自分で決めたメニューをとりあえず最後までこなしてみること
テレビや音楽を楽しみながらでも出来るメニューなので、まずはここから始めてみるといいかと思います。
ボルダラーならやっておきたい プルアップ
メニュー例:15回×3セット
難易度: 3級
所要時間: およそ15分
達成目標: 反動を使わずにメニューが完遂出来る。
クライマーなら一度は必要性を感じるであろうこと間違いなし、懸垂です。ボルダリングに必要な動きに近いため非常に実践的なトレーニングが行えます。
そんなに沢山は出来ないという方は片手デッドハング(ぶら下がり)やロックオフ(懸垂の上がりきった状態でキープ)でも、十分に肩周り等へ負荷をかけることが出来るため、こちらもおススメです。
ポイントは、
・体や足を振って反動をつけないこと
・しっかり体を下げきること
・極力ゆっくりと行うこと
・両手の間隔を肩幅程度で行うこと
自宅のドア枠等で行う場合は指の故障やドア枠が壊れてしまう危険性が高いため、メトリウス ロックリングスやハングボードの使用が望ましいです。また、そうすることで指やリストにも効果を得ることが出来ます。
足もしっかり鍛えよう 自転車こぎ
メニュー例:30秒×3セット
難易度: 4級
所要時間: 5分程度
達成目標: 足を最後まで伸ばした上でメニューを完遂出来る。
所要時間、効果、やり易さを加味した上で、最もオススメしたいのがこの自転車こぎ
このトレーニングでは腹筋、そして陸上経験者なら鍛えたことのあるであろう、ハムストリング(もも裏)へ負荷を与えることが出来ます。
効果が期待できるシチュエーションとしては、強傾斜でスタンスから足が離れてしまった時の復帰や、ダイノなどの距離を出すムーブで安定感が出ます。また、腹筋から足にかけての連動性を養うことの出来る点も、クライミングに有効なトレーニングとしておススメの理由の一つです。
意識する点は、
・足を完全に伸ばしきること
・膝を体側に抱え過ぎないこと
動的なトレーニングなのでどうしても動作が素早くなってしまいがちですが、ゆっくりと確実に行うことで、辛さと効果が倍増していくトレーニングです。
スラブで優雅に動くなら スプリットスクワット
メニュー例:左右15回×3セット
難易度: 4級
所要時間: 20分
達成目標: 軸足のみでのスクワットが可能になる。
スラブに取りついた際、手が悪すぎて立ち上がれなかった経験、ありませんか?そんなシチュエーションを打開してくれるのがこちらのトレーニング。こなせばきっと片足への乗り込みだけで高度を稼いでくれること間違いなしです。
意識する点は、
・軸足に重心を預けること
・出来る限りゆっくり行うこと
多くのクライマーがおろそかにしてしまいがちな下半身トレーニングですが、しっかり行うことでより高い次元のパフォーマンスが可能になります!
お家で指力強化!? オープンtoクリンプ
メニュー例:10回×3
難易度: 1級
所要時間: 15分
達成目標: 足での補助無し、ぶら下がり状態でトレーニングが出来る
一部を除くクライマーの自宅にはクライミングウォールがないので、トレーニングとなると先述の体幹や体軸を意識したものが多くなりがちです。しかし、自宅や近隣の公園なんかでも指を強化出来るのがこのトレーニング。ぶら下がり系のトレーニングのため、プルアップ同様ドア枠などでは無くハングボードや懸垂ラック、公園の鉄棒等で行うのが望ましいです。
またこちらのトレーニングについては、クライミングに特化しすぎているのでYouTubeに参考動画がなく、やり方についてもご説明させて頂きます。
①懸垂ラックや鉄棒に『オープンハンド』でぶら下がる。(ぶら下がることが出来ない場合は体から出来るだけ遠い位置に足を置き、体が伸びきった状態を作る。自宅で行う場合はイスや踏み台を使って、体が地面と水平に近い形を作るのが望ましい)
②持ち手をオープン→クリンプ(カチ持ち)と握り込む、この時腕で引き付けず、なるべく指のみで体を引き上げる。
③握り込んだ指をまたオープンへ、以下繰り返し
一見動作が単調かつ小さいため効果が薄いように感じられますが、指にかかっているストレスは絶大。握りこむ力をかなり強化してくれます。もしこれがぶら下がった状態で出来るようになったなら、それは新たな段クライマー誕生の瞬間が近づいている証拠です。
ただ、こちらのトレーニングは非常に怪我のリスクが高いため、無理して行わずに、出来そうなコンディションの時に適宜行うこと。ウォーミングアップとしてプルアップ等を行い指を温めておくようにしましょう。
無敵の前腕を手にいれろ! リストカール
メニュー例:左右10回×3セット
難易度: 2級
所要時間: 15分
達成目標: 同じペースでメニューを完遂出来るようになる。
ホールドを握り込む時、狭い体制で身体を引き上げたい時、必ず必要になるのが前腕の力。そこを鍛えて力強い登りに仕上げてくれるのがこのトレーニングになります。
こちらのトレーニングは基本的にはダンベルで行いますが、自宅に無さそうであれば2ℓペットボトル等で代用しても効果はあります。
前腕の引きつけ力強化以外にも、パンプへの耐性がつくのもこのトレーニングの効果の一つ。もちろんクライミング中に効率的にレストを行い、腕だけに負担をかけない(=パンプさせない)ことも重要ですが、ここ一番の引きつけのためにやっておいて損はないトレーニングになります。
注意点ですが、フォームが安定しない内は手首への負荷が高いトレーニングなので、痛みや違和感が出たら無理せず休むようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?
今回はクライミングの出来ない忙しい時期や、初心者の方にもおすすめ出来るトレーニングを多くご紹介してきました。
しかし、心・技・体のバランスのよく取れたスポーツであるクライミングは、テクニックこそ磨くのに時間がかかるもの。クライミングのテクニックは登っている中で培うのが一番効果的なので、今回ご紹介したメニューをこなして基礎体力に関する効果を実感しながらも、ジムで登ることを怠ってはいけません。
下地や基礎がしっかりした筋肉はあなたを裏切りません。どうしてもサボりがちになってしまう家トレも、各トレーニングの目的意識や目標を持ち、隙間時間に行う習慣をつけることで、必ず一つ一つのパフォーマンス向上につなげることが出来るはずです!
それでは良いフィジカルライフを!
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